炭と珈琲

七輪焙煎:炭と珈琲が織りなすドラマ

コーヒーソムリエ試験対策:コーヒーの歴史

コーヒーソムリエの試験項目、1つ目は「コーヒーの歴史」。

「珈琲大全」(詳しくはこちら)には記述がなかったので、「コーヒーこつの科学」を参照。こちらも情報量は少なかったので、資料を調べて少々補足しました。

アラビカ種とロブスタ種で異なる歴史

アラビカ種

アラビカ種はエチオピアに自生。

6~9世紀ごろ、紅海をはさみ対岸のイエメンに飲料の原料としてわたります。

1699年に東インド会社(オランダ)が、ジャワ島(インドネシア)に運び栽培を成功させます。1706年にジャワからアムステルダムの植物園に送られ、1713年にはフランスのルイ十四世の手に。1720年、フランス人将校がカリブ海の島へ運び、中米諸国へと伝播。中南米のコーヒーのはじまりです。これが、品種ティピカの歩んだ道。

もう一つの有名品種ブルボンは、1717年、フランス人によってブルボン島(現、レユニオン島)に導入され、現地で突然変異を起こしたもの。ケニアタンザニアに移植され、中南米にも導入されています。

ロブスタ種

世界的に広まるきっかけとなったのは耐病性の強さ。

自生地は、西熱帯アフリカ、南スーダンアンゴラまでの広い地域です。

アラビカ種に遅れること約一世紀、1897年にフランス人によって新種報告されました。

1860~1880年代にかけて病気が大流行したアラビカ種。

ロブスタ種は病気や虫への耐性が強いことから、急速に導入が進みました。

1898年に、英国キュー植物園からシンガポールトリニダードへ送られたのが栽培の最初だといわれています。

現在、ロブスタ種の世界最大の生産国はベトナム

ベトナムには、19世紀半ばにフランスの宣教師がアラビカ種を持ち込んだのがはじめ。

1908年にロブスタ種を導入。アラビカ種は虫と病気の被害が大きく、ロブスタ種の栽培に転換されていきました。

おわりに

アラビカ、ロブスタ、両方とも、現在の世界的な生産にフランス人が大きな役割を果たしていることに驚きました。

それにしても、もう少し知りたいコーヒーの歴史です。

今のようなコーヒーの飲み方をはじめたという、イスラム神秘主義スーフィー教団や、ロブスタ種の自生地での使われ方など、知りたいことがたくさん。

旦部博之さんの「珈琲の世界史」(講談社)を読んでみることにします。

<参考資料>Helena Coffee Processing & Export in Vietnam | Helena., JSC, Vietnamese Coffee History: Things You Never Know About Vietnamese Coffee - Helena Coffee Vietnam; International Coffee Organization ICO - World coffee production; Royal Botanic Garden Kew Coffea canephora Pierre ex A.Froehner | Plants of the World Online | Kew Science