コーヒーソムリエ試験、今回は4項目の「コーヒー豆の産地」。
産地の特徴
コーヒーベルト
年平均気温20度以上を必要とする熱帯植物のコーヒー。
赤道をはさむ南北両回帰線の内側がコーヒーベルト。
熱帯・亜熱帯、60以上の国で生産されています。
気象条件
熱帯植物といえども、高温多湿を嫌うアラビカ種。
標高1000~2000mの高地がお好み。
年間降雨量は1000~2000mm前後、平均して降ることが望まれます。
適度な日照は必要ですが、強い日差しも苦手なアラビカ種。
日中に霧が発生したり、昼と夜の寒暖差が大きい環境を好みます。
日差しをよけるために、シェードツリーなどで保護する場合も。
一方のロブスタ種は、標高1000m以下の低地で栽培されているのが特徴。
土壌
アラビカ種の原産地であるエチオピアのアビシニア高原の土壌が目安になっています。
「湿り気があって水はけも良い、肥沃な火山灰土壌」
実際、コーヒーの大生産地、ブラジル高原地帯、中米の高地、南米のアンデス山脈、アフリカの高原地帯、西インド諸島、インドネシアのスマトラ・ジャワの土壌は、水はけのよい肥沃な弱酸性土壌。
ロブスタ種は土壌を選ばない丈夫な品種です。アラビカ種の栽培に向いていない地域では、ロブスタの幹にアラビカを接ぎ木して栽培することも。
コーヒー産地
ブラジル
世界最大のコーヒー生産国。8割がロブスタ種です。
日本が輸入しているコーヒー豆もブラジル産が一番多い。
ブラジル産のコーヒーはマイルドでバランスが良いのが特徴。
精製方法はナチュラルが主流ですが、パルプドナチュラルも増えています。
世界で唯一機械収穫を行っている国、ブラジルです。
コロンビア
アンデス山脈をはじめ、南北に走る3つの山脈のあるコロンビア。
涼しくて温暖、昼夜の大きい温度差、火山灰土壌など理想的な環境でコーヒーが栽培されています。
南部、中部、北部で収穫された多彩な豆をミックスして、コク、酸味、甘味がほどよい味に。
インドネシア
17世紀に南インド経由で伝わったアラビカ種がはじまり。
19~20世紀初めにサビ病で壊滅的な被害をうけ、現在はロブスタ種が90%。
インドネシア産アラビカ種のマンデリン(スマトラ北部)、トラジャ(スラウェシ)は人気の高いコーヒーです。
エチオピア
アフリカ最大のコーヒー生産国。
1500万人の人が生産に携わり、輸出収益の67%を占めるコーヒー。
コーヒーノキ発祥の地と考えられている地域のシダモ、果実とワインの風味のハラー、花と甘い香りのゲイシャ(ゲシャ)が良く知られています。
ウィキペディアのCoffee Production in Ethiopiaに、エチオピア政府がシダモ、ハラーなどをアメリカで商標登録しようとしたところ、スターバックスに妨害されたことがのっていました。
おわりに
2006年におこった商標登録問題、今は解決しています。
スターバックス、最近の動向は?と思い確認すると、昨年2022年11月に米国の従業員2000人がストライキを行っていました。
組合交渉への無断欠席、組合活動した従業員の不当解雇、慢性的な人手不足の放置が理由。米国の独立行政機関、全米労働関係委員会から、違法行為であるとの判決をくだされていました。
「コーヒー豆は、倫理的に配慮して調達」
信憑性がゆらいでしまいそう。。。
<参考資料>Bloomberg, Starbucks (SBUX) Violated Labor Law in Refusing to Bargain With Union, NLRB Says - Bloomberg; Daily Coffee News, Starbucks Workers Strike Nationwide while Labor Board Ramps Up Legal EffortDaily Coffee News by Roast Magazine; Wikipedia, https://en.wikipedia.org/wiki/Coffee_production_in_Ethiopia