炭と珈琲

七輪焙煎:炭と珈琲が織りなすドラマ

コーヒーソムリエ試験対策:豆の違いによる焙煎

コーヒーソムリエ試験、8項目は「豆の違いによる焙煎」。

コーヒーの味と焙煎の基本原則「浅煎りにすると酸味が強く、深煎りにすると苦味が際立つ」を踏まえ、豆のもつ個性をいかす焙煎とは?

そもそも焙煎とは?

コーヒー独特の香り、色、苦味に酸味。

生豆には含まれておらず、焙煎で温度が上がることによる化学変化によってうまれる。アミノ酸は色、苦味、香り。ショ糖類とクロロゲン酸類は色、苦味、酸味、香りのもとに。

温度上昇で、水蒸気や二酸化炭素もつくられ豆が膨らむ。豆内の圧力が上がることで、細胞が壊れ始めるときに聞こえるのが「ハゼ」る音。

焙煎度にあった豆の特徴

浅煎り向きの豆

浅煎りコーヒーの味:飲みやすくてバランスがよい。

  • 酸味と渋みの少ない豆
  • やわらかくて肉の薄い豆
  • サイズや含水量のばらつきが少ない豆
  • キューバ、ハイチ、ジャマイカ
中深煎り向きの豆

中深煎りコーヒーの味:豊かな風味とフレーバーが最も発揮しやすい。

  • 個性の強い豆
  • 肉厚で酸味の強い豆
  • モカ・マタリ、ハワイ・コナ
深煎り向きの豆

深煎りのコーヒーの味:単純化してさっぱり。スモークフレーバーが勝り、甘い香りや個性による差があまり感じられない。

豆の種類と焙煎の仕上がりの違い

アラビカ種とロブスタ種

ショ糖類の少ないロブスタ種は色づきが悪い。同じ色合いに仕上げようとすると約10度焙煎完了温度を上げる必要がある。

アラビカ種の産地による違い

コロンビア産:基準とした場合

ケニアタンザニア産:同程度かやや早め

ブラジル、エチオピア産:途中までは色づきが遅いが、二ハゼ以降は急に色づく

グアテマラコスタリカ産:やや色づきが遅い

実際には、同じように色づかせた場合でも、酸味、苦味、香りの出方は違い、焙煎時間でも変化する。

焙煎しやすい豆としにくい豆

焙煎しやすい豆の特徴

小粒、薄い、含水量が少ない、自然乾燥法(ナチュラル)、オールドクロップ、成熟度が良い。標準焙煎でうまく仕上がる。

焙煎しにくい豆の特徴

大粒、厚い、含水量が多い、水洗式(ウォッシュド)、ニュークロップ、成熟度が悪い。焙煎には微妙な火力調整が必要。

 

<参考資料>石脇智広, 2008「コーヒー「こつ」の科学」柴田書店;田口護, 2006「田口護の珈琲大全」NHK出版